妊娠検査薬の反応と使用方法

一般的な妊娠検査薬の使用方法は、採尿部に尿をかけるだけという、とても簡単なものです。検査薬はスティック状でその先端に採尿部があります。採尿部に直接尿をかけるか、乾いた清潔な容器に尿を採って採尿部を浸すかします。朝、昼、夜いつの尿でも検査可能です。

 

尿の中に含まれるhCGホルモンの濃度に結果が影響を受けるので、ぬれた容器を使ったり採尿部を水で濡らしてしまったりすると、検査が適正に行われません。また、尿の量が少なすぎても多すぎても正しい検査結果が出ません。簡単な作業ではありますが正確を期するために、取り扱い説明書をよく読んで指示に従ってください。

 

採尿部に尿をかけたら検査薬を水平にして判定を待ちます。1分から3分の短時間で結果が出ます。製品により表示方法は異なりますが、検査終了のサインが表示されますので、それから判定結果を確認してください。検査終了のサインが出なかった場合は、検査が失敗しています。新しいキットをつかって再度検査を行わなければなりません。稀に判定結果が先に出てしまうこともありますが、その場合でも検査終了のサインが出たときの判定を採用してください。

 

妊娠陽性のサインが出たときは、妊娠の可能性が認められたときです。妊娠検査薬はあくまで妊娠の可能性を判断するもので、確定診断ではありません。速やかに産婦人科を受診して確定診断を受けてください。陰性の場合でも、引き続き生理が来なかったときは、1週間後に再度検査を行うか、産婦人科の受診をお勧めします。

アナログ表示の妊娠検査薬においては判定表示が出なかった場合、デジタル表示の検査薬では「−」表示がでた場合は陰性反応で、妊娠の可能性が確認できなかったということです。女性が妊娠するとhCGホルモンが作られ尿の中に含まれるようになります。妊娠検査薬で、陰性反応が出たということは尿の中からhCGが検出できなかったということです。検査時点で妊娠の可能性が認められなかったということになります。

 

しかし、引き続き生理が始まらない場合、1週間後に再検査を行ってください。hCGの分泌量が少なく検出するだけの量が尿の中に含まれていなかったことも想定できます。また、生理不順の人や、日数の数え間違いなどで、検査の条件を満たしていないことも考えられます。hCGの分泌量は日々増えていくので、再検査の時には陽性となるケースも多く見られます。

 

また、生理が始まらない場合で、何かいつもと違うと感じたら、速やかに産婦人科の受診をしてください。異常妊娠(子宮外妊娠)や胎児異常(死亡、流産)、または胞状奇胎などにより大量のhCGが分泌されている場合などで陰性反応が出ることもあります。そのままにしておくと大量出血などで命も危ぶまれる事態も招きかねませんので、生理が始まらないことを軽視せずに受診しましょう。

 

妊娠検査薬は、あくまで尿の中にhCGホルモンが含まれているかいないかの判定をしています。残念ながら正常な妊娠と異常な妊娠の区別はできません。また、hCGホルモンが多すぎたときには陽性反応が出なくなってしまう点など、理解して使用してください。

デジタル表示の妊娠検査薬で「+」反応、アナログ表示のもので判定ラインが出たら、妊娠陽性です。妊娠の可能性が確認できましたので、速やかに産婦人科を受診してください。

 

妊娠検査薬の判定はあくまで妊娠を知る上での補助的な判定です。妊娠の確定診断は産婦人科の医院で、さまざまな検査を経て総合的に判断されるものです。妊娠検査薬は、尿の中にhCGホルモンが含まれているかどうかを調べているので、正常な妊娠かまたはそうでないケースであるかは判定できません。

 

早い段階で妊娠を知ることはとても大切なことです。妊娠初期は赤ちゃんの脳や心臓などいろいろな主要器官ができ始める時期です。刺激に弱く、外からの影響を受けやすい時期で、レントゲンや強い薬、または激しい運動を最も避けたい時期に当たります。妊娠を早く知ることにより、赤ちゃんをより安全に守るとともに、生まれてくるまでお母さんが不安や心配を抱えずに済むように自分をコントロールできるようになります。

 

また、お母さん自身も必要な栄養や休息を積極的に取り込む意識が生まれてくるでしょう。この時期、新しい命を育み始めたお母さんの体もとても不安定です。現状をしっかりと把握し、医師のアドバイスを受けることは有意義なことだといえるでしょう。

 

また、妊娠を望まない女性にとっても、これから進むべき方向を決める上で、妊娠を早く知ることはとても重要です。自分自身にとってもお腹の赤ちゃんにとっても、たくさんの選択肢があるのです。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、できるだけ早く産婦人科を受診してください。

妊娠判定が薄く出た場合でも、判定は妊娠陽性です。デジタル表示の妊娠検査薬では「+」と「−」で陽性と陰性がはっきりわかりますが、アナログ表示の妊娠検査薬で判定ラインが薄いと、とても心配になるものです。検査手順が正しければ、妊娠判定ラインの濃さは、尿の中のhCGの濃度の影響を受けますので、濃度が薄いと判定ラインは薄くなります。

 

しかし、濃度が薄くても、そもそもhCGは妊娠しているときのみ分泌されるホルモンなので、尿の中に検出されるということは、妊娠の可能性が認められるということです。分泌量は妊娠3ヶ月ごろまで増加して、妊娠が継続している間は続きます。検査時に、hCG濃度が低くても何ら問題ありません。

 

とは言うものの、薄い反応はなんだかとても頼りなげな印象であることも確かです。産婦人科を受診するのが一番望ましいことではありますが、何らかの理由で受診に踏みきれない女性は、3日くらい後に再度検査を行ってください。妊娠しているのであればhCGの分泌量は増えているので1回目よりはっきりとした反応が出るはずです。2回目で陰性であっても、その後も生理が始まらなければ必ず産婦人科を受診してください。

 

妊娠検査薬を使用するときの女性の心理は実にさまざまです。けれど、共通していることは「早く、はっきりと知りたい」ということでしょう。検査手順を守るとともに、検査時期を誤らないこと、そして、気が急いてもしばらく待つことが大切です。妊娠検査薬は条件が整えば正しい判定をしてくれます。

妊娠検査薬で検査をしたとき、判定時間超過後に判定窓にラインが現れたりすることがあります。しかし、これは検査結果を正しく表しているものではありません。

 

さまざまな妊娠検査薬がありますが、どれも判定のタイミングが決まっています。ほとんどは、検査終了のサインが出たときの判定を正しい検査結果としています。終了のサインは検査が有効に行われたことを示します。その前に判定窓に現れたものも、その後時間がたって出たものも正式な結果ではないと説明書に明記されています。終了サインが出なかった場合は、検査が失敗しています。新しいキットで再検査をしてください。

 

気をつけたいのは、検査終了のサインが出たときに陰性だったのに、しばらくしたら薄く反応していた、というケースが少なからず見られることです。時間がたつと検査結果が違ってしまうこともあることを、使用する前にしっかり理解しておいたほうがいいでしょう。「10分以上経過した後の判定は無効です」と明記されている検査薬もあります。大体10分を目安と考えておいたほうがいいでしょう。不安だったら数日後再検査をしてみてください。

 

検査結果が1時間程度液晶画面に残るデジタル式の妊娠検査薬や、アナログであっても判定結果が消えずに残るタイプもあります。妊娠の可能性は自分にとってだけではなく、パートナーにとっても大変重要なことなので、結果をそのまま見せることができるというのは大きなメリットです。これを望む女性は、そういったタイプの妊娠検査薬を使用することをお勧めします。